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【ベトナムM&Aニュース】ホテルM&A案件、売却価格(Valuation)低下傾向

ホスピタリティ業界は、新型コロナウイルスの影響により大打撃を受けている。ホテル事業の取引価格は非常に圧迫されている状態だ。

CBREホテルズ・アジア・パシフィックのエグゼクティブ・ディレクターであるロバート・マッキントッシュ氏は、ホテル開発や売買においては、新型コロナウイルスの影響を強く受け、これらの価格が低落、もしくは横ばいになるだろうと述べた。

短期的に見て、ホテル業界の営業結果は、過去最低水準まで落ち込んだ。

特に海外旅行者への依存度が高いホテルは、ビジネス利用者に強いホテルよりも影響が大きい。

これが完全に回復するまでに、どのくらいの期間がかかるかは定かではないが、ホテルの取引案件は下降するだろうと予測されている。

2020年の第2四半期の初めに、キャッシュフロー問題に直面しているホテル物件を検索する投資家の姿が多く見られた。

彼らは多くの場合、4つ星、5つ星ホテルの売却案件を求めているのだが、
今回の新型コロナショックによって売りに出された4つ星、5つ星ホテルはごく僅かだ。

多くの場合、これら4つ星、5つ星ホテルは大企業が運営しており、
新型コロナウイルスの危機を乗り越えるための十分な資本金を持っているため、
売りに出されることは少ない。

現在、売りに出されている高級ホテルも数件あるが、これらはパンデミックの以前からすでに売りに出されていたものだ。


(写真の説明)ホーチミン市のホテルは3月19日から営業を停止した。

2019年、ベトナムの観光産業は、外国人観光客数が1800万人と過去最高の記録を樹立した。また同年は、ホテルのM&Aやリゾートプロジェクトが、ハノイ、ハイフォン、ニャチャン、バリアブンタウ、フーコックにまで広がって行われるなど、活気立った市況の1年でもあった。

しかし、新型コロナウイルスはすべてを混乱させ、市場を窮地に追い込んだ。

ベトナム政府は1月下旬に中国から、3月上旬には韓国からの全ての国際便を停止した。

さらに、3月下旬には国際線の全便停止と外国人の入国を停止し、観光産業の状況は日を追うごとに悪化した。

人々への移動規制、ソーシャルディスタンス、感染への不安などにより、第1四半期の外国人観光客は370万人にとどまった。

これは前年同時期から18.1%減少した。

国内観光客も2019年の同時期に比べて18%減少した。

多くの重要な観光イベントが延期、またはキャンセルとなったことも、市場に悪影響を与えた。

ベトナム政府観光局は、2月から4月にかけての観光産業への損害は59億米ドルから77億米ドルに達すると見積もっている。

この期間中、ホテル、ツアーオペレーター、旅行会社の経営状況は深刻な影響を受けた。

多くのホテルは、従業員の労働時間を短縮し、人員整理を行い、売上高が最低限の損益分岐点に達しない場合、一時的に閉鎖しなければならなかった。

同局によると、パンデミック後、観光産業はゆっくりと回復する可能性があるという。

しかし、新型コロナウイルスの終息が6月だとすれば、2020年の外国人観光客数は前年と比較し70%の減少、終息が9月であれば75%の減少となるだろうと予測している。

実際に、2020年は観光客数がかつてないほど減少し、ホテル市場の稼働率が大幅に低下している。

また、世界的な景気後退も、市場に悪影響を及ぼすことは明らかだ。

CBREホテルズ・ベトナムの副ディレクターであるグエン・トロン・トゥック氏は、この大きな世界変動をポジティブな視点で見れば、ホテル市場に大きなチャンスをもたらすだろうと述べた。

パンデミックは、適応能力がある投資家を選別するための重要な段階であり、これを乗り越えることによって、市場はさらに成長するだろうとした。

トゥック氏は、人々の所得が低下する傾向にあり、また国際線路線の便数が限られている中では、今後は国内観光の需要が強化されるとした。

また、個人のビジネス出張も、パンデミック後の市場回復の鍵となるだろう。

国際線が再開されるころには、北東アジアからの観光客が徐々にベトナムへ戻ってくることが期待される。



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