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シンガポールM&Aで議論になる「Security Bond(セキュリティボンド)」とは?

Security Bond(セキュリティボンド)とは?

シンガポールでは、
雇用主が「マレーシア人以外の低技能外国人労働者(Work Permit)」を雇う場合、

MOM(シンガポール労働省)に対し、
一人当たりSG$5,000デポジットとして支払わなければなりません。

その理由は、デポジットを雇用主に支払わせることで、
雇用主に雇用ルールを遵守させ、
もし違反した場合には、罰金を雇用主から徴収できるようにするためです。

家を借りる際の「敷金」のようなもので、
外国人労働者が帰国した場合、基本的には「返ってくるお金」(デポジット)です。

勿論、雇用主がいくつかの条件を満たす必要がありますが。

でも、いくら返ってくるお金とはいえ、
多くの外国人労働者が必要な建設業等の中小企業にとっては、
外国人労働者を雇うごとに先にお金が出ていくことになるため、
キャッシュフロー的にはきついですよね。

 

そこで、Security Bond(セキュリティボンド)の出番です。

Security Bondは銀行や保険会社で購入でき

雇用主が、Security Bondを購入することにより、SG$5,000が免除されます。
(購入後、銀行や保険会社から直接MOMへSecurity Bondが送付されます)

購入時には、SG$80~100の保険料を支払う必要はありますが、
一度支払えば、就労ビザの有効期間である2年間は追加支払いは不要です。
(Work Permitの更新タイミング毎に支払う必要はあります)

① 外国人労働者を雇う際には、SG$5,000を支払うか、Security Bondを買うかのどちらか

② ただし、S PassやEmployment Passの対象となる外国人労働者ではなく、
あくまでも「Work Permit」の対象となる外国人労働者(マレーシア人以外)を雇う場合のみ

② Security Bondは、銀行や保険会社から購入できる

③ Security Bondの価格は、SG$80~100程度

④ 雇用主はSecurity Bondの仕組みを利用することにより、外国人労働者を雇う時点でのキャッシュアウトを防ぐことができる(保険会社への保険料の支払い及びSecurity Bondが失効された場合の責任の比重に応じた支払いは必要)

Work Permitについては下記の記事で詳細に説明しておりますので、
「ワークパーミット?」って思った方は御覧ください。

シンガポールM&Aでは避けては通れないQuota(クオータ)とは?

 

Security Bondの返却条件・失効条件

下記の全ての条件を満たす場合、Security BondがMOMから返却されます。

① 外国人労働者の労働許可が解除される
② 外国人労働者が帰国する
③ 雇用主が雇用規則に違反していない

下記のいずれかの場合、Security Bondは失効します。

① 給料の未払
② 労働許可/Security Bondの規則違反
③ 労働許可の満了/キャンセルの前に外国人労働者を帰国させなかった
④ 労働者の消息不明(※労働者が消息不明になった場合、かつ、警察へ報告書を提出し、労働者を探す努力をした場合、MOMからSecurity Bondの半額(SG$2,500)を保険会社へ返却される(雇用主が現金で支払った場合は、雇用主へ返却))

Security Bondが失効した場合、まず保険会社からMOMへSG$5,000支払われ、
その後、雇用主から保険会社へ支払うという流れです。
ただし、雇用主の責任の比重や保険会社との契約内容に依存します。

・Security Bondが失効した時の雇用者の責任ですが、Security Bondが失効した責任が雇用主にない、もしくは予見できない、やむ終えない結果である等の判断が保険会社との間でなされた場合、
結果として、250ドルを雇用主、残りの4,750ドルを保険会社が負担すると言ったケースもあるようです。



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