【この記事の想定読者】
・「税効果会計」という言葉を新聞やニュースで良く耳にする人けど、一体どういう意味なのか分からない
・デューデリで専門家が「税効果会計」っていってたけど理解できなかった
・難しい言葉じゃなくて、簡単に説明してほしい 等
上記のような「税効果会計について簡単に理解したい!」という方向けの記事です。
なんと、この記事を一読するだけで人に説明できるようになります。
というか、説明できるようになろうと思って読んでください。
M&Aを検討される方は勿論、財務諸表を見る人は「税効果会計」を理解しておくと、
見える世界が変わります。思考レベルが変わります。
東南アジアクロスボーダーM&Aを検討するにおいて知らないでは済まされません。
ぜひこの機会に誰かに説明できるレベルを目指してください。
税効果会計とは?
税効果会計とは、
税引前利益と法人税等を対応させるテクニックのことです。
税引前利益と法人税等が対応している、対応していないというのは
どういう意味なのでしょうか。
対応している、対応していないってどういう意味?
下記の表は対応していない場合の例です。
第一期 | 第二期 | |
税引前利益 | 100 | 100 |
法人税等(30%) | 0 | 80 |
当期純利益 | 100 | 20 |
上記のように、
税引前利益が100かつ税率が30%なのに法人税等が30になっていません。
これを、税引前利益と法人税等が対応していないといいます。
「税率間違ってるじゃねーか!って思う」=「対応していない」となります。
百聞は一見にしかずということで、
実際に税効果会計が使われている様子を確認しましょう!
リアルな「税効果会計」を見る方法とは?
普段皆さんが目にする損益計算書では、既に税効果会計が適応されています。
そのため、損益計算書を良く見てみると、
リアルな税効果会計のテクニックを垣間見ることができます。
下記はトヨタの損益計算書ですが、赤枠で囲んだ部分をご覧ください。
実は赤枠の部分に税効果会計が使われているのですが、分かりますか?
税効果会計の正体は、「法人税調整額」なんです。
この法人税調整額のおかげで、
法人税等に調整が加わり、税引前利益と法人税等(調整後)が対応するようになります。
【対応していない】
税引前利益 ⇔ 法人税等
【対応している】
税引前利益 ⇔ 法人税等+法人税等調整額
つまり、
「税効果会計のテクニック = 法人税等調整額で法人税等を調整すること」になります。
このように、損益計算書をよくみると、税効果会計がしっかりと使われているのが分かりますね。
でもなんでわざわざ調整しないといけないのでしょうか。
法人税調整額が必要な理由
実は法人税等は、損益計算書とは別のところで、独自のルールを用いて算出された後、
損益計算書へ反映されているからです。
つまり、法人税等は税務申告書という、損益計算書とは異なるシートで、
税務特有のルールを用いて算出されています。
そのため、損益計算書に持ってきたときには、
次章で法人税等の算出方法について解説していきます。
法人税等の求め方
法人税等は2種類ある?
「法人税等の求め方」といっても、実は法人税等は2種類あります。
そのため、どちらの法人税等を求めるのかによって、算出式が変わってきます。
【会計ルール上の法人税等の場合】
税引前利益 × 税率 = 法人税等(PLに計上すべき税金)
【税務ルール上の法人税等の場合】
課税所得 × 税率 = 法人税等(支払うべき税金)
会計ルール版の法人税等は、損益計算書に計上すべき法人税等であり、
税務ルール版の法人税等は、実際に支払うべき法人税等です。
ちなみに、既に説明したとおり、損益計算書には
会計ルール版と税務ルール版の両方の法人税等が記載されておりますが、
当期純利益を求める際に用いられる法人税等は、会計ルールで算出された法人税等です。
つまり、支払うべき法人税等と、PLに記載すべき法人税等は異なるということです。
課税所得とは
課税所得とは、
支払うべき法人税等を計算するために用いるもので、税務の世界の言葉です。
課税所得は下記のように算出できます。
課税所得 = 益金(税務世界の収益) - 損金(税務世界の費用)
一方、会計の世界の言葉では、下記のようになります。
利益 = 収益 - 費用
重要なのは、
①利益 ≠ 課税所得
②収益 ≠ 益金
③費用 ≠ 損金 であるということです。
住む世界が違うのです。
【税務の世界】
支払うべき法人税等を計算するには、「課税所得」 × 税率
【会計の世界】
計上すべき法人税等を計算するには、「税前利益」 × 税率
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