【ベトナムM&A（公開買付）事例】ベトナム電気設備メーカーGelex、ベトナム建設資材メーカーViglacera株式を公開買付（TOB）

ベトナム電気設備メーカーGelexは、ベトナムの建設資材メーカーViglaceraの株式を追加購入し、保有比率を24.96%から46.15％に引き上げる。

【対象会社】Viglacera Corporation

ヴィグラセラ社は、1974年に設立されたベトナムの建材製造分野におけるリーディングカンパニーであり、
不動産分野においても有名な企業です。

38の子会社と9,000人以上の従業員を擁しています。

ヴィグラセラ社の製品は、建設業界の年間輸出額に3000万ドル以上の貢献をしており、
世界40カ国以上の国と地域に輸出されています。

Viglaceraは、ベトナムで11の工業団地とキューバの1つの経済ゾーンを持つ主要な工業団地の開発者として知られています。

【買い手】GELEX

1990年に設立され、約30年の設立と発展を経て、ベトナム電気機器合弁会社（GELEX）は市場での地位と評判を確立しました。

事業モデルの再構築後、現在、GELEXは4の子会社を持ち、工業製造（電気機器）、公益事業（代替エネルギーとクリーンウォーター）、物流（物流業務と物流インフラ）、不動産（シティホテルと商業不動産）の分野で持株モデルで事業を展開しています。

持続可能な発展戦略の下、GELEXは電気機器（CADIVI、THIBIDI、HEM、EMIC、EEMC）、物流（SOTRANS、VIETRANSTIMEX、SOWATCO）の分野でトップブランドを所有するベトナム企業であることを誇りに思っており、ベトナムをリードするマルチセクター企業になることを目指しています。

将来的には、コア事業である電気機器の製造・販売に加え、ユーティリティー、物流、不動産などの他業種への多角化を進めていきます。
このような多角化を行い、最終的には株主の皆様に持続的な価値を提供してまいります。
これは、GELEXがベトナム経済全体に持続可能な価値を常に提供し、格調高いシンボルとなるための確かな基盤となります。

本件概要

ベトナムの建設資材メーカーであり工業団地開発業者であるViglacera Corp (VGC VN)の第二位株主であるVietnam Electrical Equipment JSC (GEX VN) (Gelex)の取締役会は、Viglaceraの株式を公開買付けで買い増す意向を “公式に “発表した。

Gelexは現在、Viglaceraの24.97%を保有しており、5.54%を直接所有し、子会社のGelex Electric（19.43%）を通じて間接的に保有している。

筆頭株主は依然として建設省で、38.85%となっている。

ベトナムの公開買付にける買付価格は、

【上場会社の場合】
①：公開買付届出書を証券取引委員会に提出した日に先立つ60日間における平均株価、
または、
②：当該60日間において対象会社に対して公開買付けが行われていた場合は、
当該公開買付けにおける買付価格

【上場会社でない場合】

最も高い価格を下回ってはならないとしているため、本件も、正式公募前のViglacera社株式の過去60日平均株価を下回らない価格となる。

具体的な入札価格は、所管官庁への公開入札の登録時に事務局長が決定する。

Gelexは2020年にViglaceraの支配権を取得し、他の小規模企業も取得して産業用不動産分野でのシェアを拡大することを目標としている。

Gelexの2019年売上高は15.3兆VND（11.8%増）、税引前利益が1.1兆VND（23.6%増）となったが、この数字は会社の目標額を下回る形となった。

取締役会によると、
Viglaceraの支配権を確保できなかったことが、2019年のGelexの収益低下の原因となったようだ。

仮に、2019年に買収が計画されていなければ、Gelexの売上高は10.6％、税引前利益は2.4％、それぞれ通期目標を上回っていたかもしれない。

2020年には、GelexはViglaceraの買収を含む場合と含まない場合の2つのシナリオを想定している。