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【ベトナムのファストファッション業界】~ベトナムにグローバルブランドが集まる理由~

日本のファッションブランドによるベトナム進出が加速している。

業界関係者によると、日本の市場は縮小する一方だが、ベトナムのファッション産業はアジアで最も大きな成長率を誇っており、アパレル小売業者はベトナムを「東南アジアの重要な消費拠点」として注目している。

日本のユニクロは2019年12月にホーチミン市に旗艦店「ユニクロ ドンコイ店」をオープンし、2020年3月にはハノイに2号店をオープンした。

ファーストリテイリンググループの創業者であり会長兼社長でもある柳井正氏は、ベトナムにおけるユニクロの将来性について、「ベトナムには大きな可能性があり、世界最大の消費市場の一つになると思う」と語っている。

ファーストリテイリングは、ユニクロ、GU、セオリーなど複数のファッションブランドを展開するグローバル企業であり、日本では高齢化が進み、ファッション業界の成長が期待できなくなっているため、ベトナム、イタリア、インドなどの新市場を開拓しなければならない。

また、日韓間の貿易摩擦などの地域的要因もあり、ユニクロなどの日本企業による、
ベトナムをはじめとするアジアの成長市場への注目が高まっている。

ユニクロとそのパートナー企業は、ベトナムの輸出市場向けに年間30億ドルの生産を行っており、ベトナムでの生産量と地産地消の両方を増やしていく予定だ。

ユニクロの他にも、多くの日系アパレルメーカーがベトナム進出を果たしている。

マツオカコーポレーションは、近年の中国での生産コストの上昇を背景し、
中国市場への依存度を下げるために新工場の建設を計画しており、100%子会社「アンナム・マツオカ・ガーメント(Annam Matsuoka Garment)」をベトナム北中部地方ゲアン省に設立し、子会社ではアパレルOEM製造を行う。

一方、日本の商社である伊藤忠は、現在、ベトナムから600億円以上の衣料品を輸出しており、年間5億4,750万ドルに相当する。

伊藤忠は2021年までに外注・輸出額を1,000億円(9億1,250万ドル)にすることを目標としており、現在、ベトナムの繊維・アパレル企業100社以上と提携している。

数年前から日系アパレルメーカーによるベトナム進出が増加傾向にあり、
日本のアパレル製造主力のストライプインターナショナルは2017年にNEMグループのアパレルブランドを買収した。

その後、NEMのファッションブランドは、店舗数を2倍の90店舗に増やしただけでなく、全国でのプレゼンスをスケールアップさせている。

この取引の後、ストライプ・インターナショナルは9月にベトナムの女性用フットウェアブランド「Vascara」を買収するなど、次々とベトナムM&Aを実施している。

この動きは、「ベトナムのファッション業界に本格進出しよう」とするストライプ・インターナショナルの野心の現れだ。

 

昨年2月には、日本の投資ファンドであるアドバンテッジパートナーズも
ベトナムのファッションブランド「エリーゼ(Elise)」を買収した。

エリーゼは今後5年間で、2022年には20億ドル、年率30%程度の成長率で20億ドルに達すると予測されているレディースファッション分野に注力していく。

日本からの投資を受けて、エリーゼは店舗数を2倍に増やし、収益を4倍にする計画だ。

現在、同ブランドは全国に95店舗、3つの工場と30の専属アウトソーシング会社を持ち、年間300万点の商品を供給している。

Infocus Mekongのマネージング・ディレクターであるRalf Matthaes氏は、平均年齢が30歳で、中産階級の成長が著しい東南アジア第3位の国であるベトナムでは、ファストファッションが定着しつつあると述べている。

日本と並んで欧米の人口も高齢化が進んでおり、ベトナムの若者はファッションを通じて自分の個性を表現する傾向が強くなっており、ベトナムはブランドにとって重要な潜在市場となっている。

「価格がリーズナブルであるだけでなく、ファッションブランドは、最新のファッションスタイル、カット、カラーを提供しながら、ベトナムの暑い気候に対応した生地の機能性のクロスオーバーを理解する必要がある」とMatthaesは言う。

日本のファッションブランドの台頭が続くことで、ZaraやH&Mなどの国際的なブランドや、Canifa、Hnoss、IVY Modaなどのベトナムのローカルブランドとの競争が激化すると思われる。

その中で、Ninomaxx、N&M、Blue Exchange、PT 2000など、多くのベトナムブランドがシェア維持に苦戦しており、Hnossは2018年に激しい競争のため、ベトナムの小売経営会社シードコムに事業を売却し撤退している。

ミッドレンジファッションブランドは、プレミアム、販売チャネル、運営、経営の面で多くの困難に直面しており、この状況は日本などの大手外資系ブランドにとってはチャンスといえるだろう。



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