東南アジア特化型
M&Aマッチングプラットフォーム「ドマンダ」
M&Aをもっと身近に、もっとシンプルに。
M&Aニュース

【M&Aニュース】コロナ禍における東南アジアM&A市場への影響

2020年のシンガポール、マレーシア、インドネシアにおけるM&A(合併・買収)の案件数を見ると、コロナショック以前のパンデミックが特定の産業やセクター、地域に影響を与えるものであった一方、今回のコロナショックは世界中の全ての産業に影響を与えたことが分かる

ダフ&フェルプスのM&A取引レポートによると、2020年のシンガポール、マレーシア、インドネシアのM&A取引額は17%減少、世界では24%も減少しているのだ。

勿論、M&A取引環境は徐々に回復していることは事実であるが、パンデミックによるM&A市場への長期的影響は無視できない。

ボトルネック

やはり現地でのデュー・ディリジェンスをフィジカルに行えないことが大きい。

勿論、業種によってはZoomなどのオンラインツールでマネジメントインタビューを行ったり、工場内の動画を撮影し、買い手候補へ開示するなどで代替できる案件もあるが、やはり実際にFace to Faceで会って話がしたい、直接工場を見てみないと分からないなどといって、案件を進めることが難しくなるケースも少なくない。

デュー・ディリジェンス(DD)にはさまざまな専門家のコストがかかるわけだが、コロナ禍でより一層、基本合意を締結し、DDを開始することのハードルが高くなっているように思う。

長期的な課題

ワクチンの接種が始まっているとはいえ、コロナ禍は多くが予想していた以上に長く続く可能性がある。未だに複数の国で感染が発生しており、その経済への影響は、減損問題、リストラ、倒産を含め、今年以降も続くと予想されている。

セクター別の違い

ヘルスケア、消費財、公益事業などの生活に必要なエッセンシャルズ関連が成長している。金融サービスや教育など、コロナ禍のニューノーマルに素早く適応できるセグメントかどうかが重要だ。

例えば、東南アジアにおいても、DX関連はバリュエーションが高い。昨年、ジェトロが「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」の公募を開始し、東南アジアでビジネスを行うさまざまな日系企業が採択されている。

一方で、パンデミックの影響を大きく受けた航空会社、運輸、ホスピタリティ、レジャー、エンターテイメントなどのセクターは、回復までに時間がかかるだろう。

様々な要因

世界的に見ると、2019年から2020年の間にほとんどのセクターでM&A取引額が減少しているのに対し、テクノロジーセクターは同期間に22.5%の増加を示している。

この地域では、テクノロジーセクターの2020年のPE/VC投資額は57億米ドルで、全体の65%を占めている。

一方、不動産セクターは、昨年のシンガポールのM&A額の38%、マレーシアのM&A額の43%を占めている。

このセクターが大幅に増加した主な理由の一つは、不動産価格の下落だ。

昨年、世界中の不動産投資信託(Reits)のインデックスから3,400億米ドル以上の価値が一掃されており、これは大きな投資機会を提供してる。

60 億米ドル以上の価値を持つキャピタランド・モール・トラストとキャピタランド・コマーシャル・トラストの合併に加え、GIC、グローバル・ロジスティクス・プロパティ、ARA アセット・マネジメント、サンテック・リート、メープルツリーを含むシンガポールの企業数社が、世界各地で大規模な不動産・物流施設を買収している。

今後の展望

世界最大の貿易協定である「地域包括的経済連携」が、シンガポール、マレーシア、インドネシア、他のアセアン7カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドによって署名された。これにより、アセアンのビジネスや取引に好影響を与えることが期待されている。

また、世界的な政治環境の改善、技術の採用率の向上、地域の資本資源の利用可能性の増加が、取引の見通しを後押しするプラスの要因となっている。

 



関連記事